世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


エレメンツ・オブ・アイラ ピート プルプルーフ    59.3%

  • 地域: アイラ
  • ブランド: エリクサーディスティラーズ
  • 価格帯: £26-70
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:184号

フィービー・カルバーSCORE8.0

香り
焚き火の煙とグレーンの香りが、心地よく混ざり合っている。麦芽乳ビスケットと柑橘の刺激。暑い日に食べるグレープフルーツのスライス。海霧やオリス根を思わせる匂い。
スモーク香は、バーベキューのような趣きに変化してくる。串焼きにした塩味のポークチョップとパイナップル。青リンゴの皮、黒糖、焼いたシナモン、かすかなダークチョコレートなどの甘味も感じさせる。
フィニッシュ
海霧のようなニュアンスが戻ってきて、スモーク香を後ろから支えている。シナモンのようなスパイス香がしばらく持続する。
コメント
甘味と塩気を感じさせるウイスキーは、常に個人的な好みである。このウイスキーは、甘味と塩気をスモーク香が完璧なまでに包み込んでいる。

クリストファー・コーツSCORE7.7

香り
ユーカリ、アロエ、メンソール、トウガラシ類、かすかなジュニパーベリーなどの香り。その底には、塩漬けオリーブの風味がある。ナッツ風味、酸化したスイートベルモット、ショートブレッドビスケット。ペアドロップキャンディ、白ブドウ、キュウリなどを思わせる味。
口当たりはミディアムボディからライトボディ。ほんの少し薬っぽい(ヨード系)。カラマタオリーブ、オレガノやタイムを思わせる繊細なハーブ風味。焼いたサワードゥの端っこの焦げ。セロリの繊細な風味、熟れる前の洋ナシ、タバコの煙といった要素も感じる。
フィニッシュ
余韻は短め。香味が舌の上で蒸発していく。後に残るのは、メンソールタバコの風味。
コメント
アイラ島で感じる風のように心地よく、爽やかに元気づけられるような味わい。

エレメンツ・オブ・アイラ ピート    59.3%

  • 地域: アイラ
  • ブランド: スペシャリティ・ドリンクス
  • 価格帯: 26-70
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:136号

クリス・グッドラムSCORE8.2

香り
軽いトフィーの香りに始まり、フレッシュなレモン、塩、樟脳、ミントの匂いが後に続く。香りがほどけてくると、甘くてジューシーなアンズ、モモ、洋ナシの香りが現れ、大麦、土っぽいピート、スミレ、肥料などの匂いもある。
最初は大麦とかすかに甘いバニラ。ドライな感触のピート、塩、アルコール。底には軽いハチミツのようなフルーツと樟脳の風味。加水すると、やや平板な感じに。
フィニッシュ
ストレートで飲むと非常にドライで、アルコールの刺激が強い。唾液を誘うレモンと、ハーブのようなピート香がある。水で薄めると、大麦、果肉たっぷりのアンズ、木のスパイスの感触。
コメント
ストレートで飲むと素晴らしい。香りがゆっくりとほどけてきて、複雑な階層が明らかになってくる様子が自分の好みだ。個人的には加水したくないウイスキー。

ジョエル・ハリスンSCORE8.4

香り
海水に浸され、スモモとバニラポッドの畑で立ち上がる強烈なピートの煙の一撃。石炭の粉とドリームトッピング。
高いアルコール度数にしては、極めて繊細なキャラクター。水を加えると、レモンシャーベット、木のスモーク、ピート、ヒースなどの風味が引き出される。日が出たかと思えばふいに雨が降り出す、アイラ島の夏を思わせるウイスキー。
フィニッシュ
スピリッツの基盤は軽いが、ピートの力強い風味がうまくバランスをとっている。
コメント
よくつくり込まれた軽快なスピリッツながら、力強いピート香を感じさせるスコッチウイスキー。